2015年8月22日土曜日

白色点の変更

各色空間にはD65やD50のように光源(白色点)が決められているが白色点を変えたい場合はXYZ空間またはLMS空間でスケーリングする。

本当なら光の波長的にはD65からD50に光源を変えなくてはいけないがそういうわけにもいかないので白色点を合わせるためにスケーリングでバランスをとるようなものだと思う。
人の目の色順応やカメラのホワイトバランスと同じようなもの?

変換後のRGB空間で調整で調節するより、高色域を保持した状態でスケーリングしたほうが情報が欠落しない。
CGのレンダリングでもでホワイトバランス調整はRGB変換前にスケーリングしたほうが色域が保てるので良いと思われる。
どの程度有効なのかは今後調べたい。

白色の変更方法

XYZ空間でスケーリングするよりもLMS錐体の応答特性に変換してからスケーリングするほうが、色の見え方が良いとのこと

白色点変更の変換行列が総当たりで掲載されている(http://www.brucelindbloom.com/)
http://www.brucelindbloom.com/index.html?Eqn_ChromAdapt.html

白色点変更の流れ

 XYZ空間 → 錐体応答(LMS)空間に変換 → 白色点合わせ → XYZ空間に戻す

 XYZからLMS空間に変換する行列は一般的に下記の3個が有名みたい。
  • XYZ Scaling (LMSには変換せずXYZのまま)
  • von Kries
  • Bradford
  変換行列
via:http://www.brucelindbloom.com/
Method[MA][MA]-1
XYZ Scaling
 1.0000000  0.0000000  0.0000000
 0.0000000  1.0000000  0.0000000
 0.0000000  0.0000000  1.0000000
 1.0000000  0.0000000  0.0000000
 0.0000000  1.0000000  0.0000000
 0.0000000  0.0000000  1.0000000
Bradford
 0.8951000  0.2664000 -0.1614000
-0.7502000  1.7135000  0.0367000
 0.0389000 -0.0685000  1.0296000
 0.9869929 -0.1470543  0.1599627
 0.4323053  0.5183603  0.0492912
-0.0085287  0.0400428  0.9684867
Von Kries
 0.4002400  0.7076000 -0.0808100
-0.2263000  1.1653200  0.0457000
 0.0000000  0.0000000  0.9182200
 1.8599364 -1.1293816  0.2198974
 0.3611914  0.6388125 -0.0000064
 0.0000000  0.0000000  1.0890636

  Bradford変換が一般的に使われている感じだが他にもいろいろ在るらしい。
  Bradford変換はphotoshopでも使用されているとのこと

D65からD50への変換行列を求める例

 lmsに変換する行列と、変換元と先の白色点Xn,Yn,Znの値が必要。
 Xn,Yn,Znがわからない場合は場合はx,yから変換する。


 変換方法の参考

 Bradford 変換 (白色点の変換)
 http://w3.kcua.ac.jp/~fujiwara/infosci/colorspace/bradford.html

 Chromatic Adaptation
 http://www.brucelindbloom.com/index.html?Eqn_ChromAdapt.html

関連メモ

XYZ Scaling, Bradford, Von Kriesの評価が掲載Bradfordが最適

各変換モデルを画像で評価している(von Kries, Bradford, Sharp, CMCCAT2000, CAT02, XYZ)
Color Balancing Algorithms | Chromatic Adaptation | Jason Su
http://web.stanford.edu/~sujason/ColorBalancing/adaptation.html

Sharp, CMCCAT2000, CAT02  変換行列

Method [MA]
sharp
 1.2694 -0.0988 -0.1706
-0.8364  1.8006  0.0357
 0.0297 -0.0315  1.0018
cmccat2000
 0.7982  0.3389 -0.1371
-0.5918  1.5512  0.0406
 0.0008  0.239   0.9753
cat02
 0.7328  0.4296 -0.1624
-0.7036  1.6975  0.0061
 0.0030  0.0136  0.9834

下記ページに行列が表記されている

Two New von Kries Based Chromatic Adaptation Transforms Found by Numerical Optimization
http://web.stanford.edu/~sujason/ColorBalancing/Papers/Two%20New%20von%20Kries%20Based%20Chromatic%20Adaptation.pdf
(http://www.stanford.edu/)

LMS color space
https://en.wikipedia.org/wiki/LMS_color_space

カラーアピアランスモデル

環境光に応じ明るさや色順応までを考慮して見え方を一致させるための仕組みで、現在も改良されている。
von Kriesのモデルはlms錐体の応答に対して逆比例するような係数を掛けることで色の偏りを抑制するもで、この考え方が基になっているとのこと。
最近はCIECAM02という色の見えモデルが使われているらしい。

 照明・測光・測色
 http://annex.jsap.or.jp/OSJ/50th_cd/main/keyword/shomei_010.htm

 キヤノン:技術のご紹介 | 開発者が語る
 http://web.canon.jp/technology/interview/kyuanos/kyuanos_p4.html

 色再現技術における色の見えモデルの利用について 財団法人日本色彩研究所
 http://www.jcri.jp/JCRI/hiroba/COLOR/buhou/148/148-7.htm

イメージクリエーションの基礎理論 No.037 アンディマンの知恵袋/ウェブリブログ
 http://andyman.at.webry.info/201302/article_1.html

LMS色空間

 LMS color space
 https://en.wikipedia.org/wiki/LMS_color_space

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