- 物体色の色域は最適化色立体(Macadam Limits)で定義されている。
- 理解を深めるために最適化色立体を自分で作成する。
- 最適化色立体を均等色空間の一つであるL*a*b*空間で表示し、ディスプレイカラーの色空間と比較することで、実際の物体色に対してのカバー率を視覚的に見たい
物体色と光源色
光源色は 光源そのものの色のこと。
光源色は光源の分光分布と目の感度を掛けることで色が求まる
- XYZ = 光源の分光分布 * XYZ等色関数
物体色は光源に照らされた物体の色のことでライトの色が変われば物の色も変わる。
物体色は光源の分光分布と物体の分光反射率と目の感度を掛けることで色が求まる
- XYZ = 光源の分光分布 * 物体の分光反射率 * XYZ等色関数
但し人には色の恒常性があり、光源色を打ち消した物体本来の色を感じられる。そのためさらにホワイトバランスを適用して光源色を打ち消した色を求めることが多い
物体色は光源色と違い、明るさに制限があり明るくなるほど彩度が無くなり白になっていく。
最適化色立体(Macadam Limits)の作成
一番鮮やかになるであろう分光反射率のパターンに光源の分光分布を掛け合わせたものをプロットするという手法。
鮮やかになる理想な分光反射率は凸型と凹型となる。
その凹凸位置と幅を変えたものを全パターン用意してプロットする。(現実にそんな切り立った分光反射があるかどうかは怪しいけれども..)
380~780nmまでの分光反射のパターンを1nm間隔で用意して光源の分光分布と掛け合わせxyY座標の値を求め、さらに明るさYを分割して、その明るさに近いものを選んでプロットする
参考資料
Estimation of the Device Gamut of a Digital Camera in Raw Performance Using Optimal Color-Stimuli
プロット結果
- xyY座標でプロット
- 380-780nmまでの波長を扱う
- 5nmの8分の1の単位でポイントを打った(総ポイント数は約20万)
- D65光源を使用(分光分布の元データは5nmステップのものなので線形で8倍にした)
- Yの分割は0.1~0.9までを0.1ステップ。ほかに0.01と0.98を選んだ
- 0.002~0.003位の高さを許容してポイントを選びYの値を同じにした
- ポイントの色はrec.2020(D65)の色空間で着色
- Yに対してほぼ等間隔にスライスしているが人の感じる等間隔の明るさとは違うことに注意
- L*a*b*座標でプロット
- 明度指数L*に対して10~90までを10ステップの他に4と98を選んだ
- 明度指数L*は人の明るさの感じ方に近い
- a*b* の色相環みたいな部分の見た目もxy座標よりも人の感覚に近い
Macadam Limitsの作成過程をわかり易く説明
分光反射のパターンの作成からxyY座標にプロットするまでの流れを理解しやすいようにアニメーションを作成- 上図は分光分布のパターンをすべてをプロットしていく様子(5nm単位で粗くしている)
- 下記はわかり易くするために光源の分光分布は掛け合わせていないがE光源(全波長がフラットな光源)で照明したと考えても良い。
- 凸型のほうは青から赤に変化していくが徐々に彩度がなくなる
- 凹型のほうは赤と青を繋ぐ紫色が強くなっていく
これをもっと細かいステップ(今回は0.625nmステップ)でプロットし、その後Yが一定となるものを選べばプロット結果となる。
単色のスペクトルが白になっていく軌跡
こちらは青から赤までの単色光スペクトルの幅を増やして白に近づいていく軌跡を表したもの(光源はD65を使用)
黄緑と青の付近はかなり直線的に白に向かっているが赤紫はとても歪んでいる。
黄色は彩度が高いが白とほぼ同じ明るさを直前までキープできている
黄色は彩度が高いが白とほぼ同じ明るさを直前までキープできている
光源を変えた時の変化の様子
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